吉桂 iPole7、オカムラ シルフィー、オフィスチェア長期使用レビュー

という事で今回はリクエストもあったので、急遽オフィスチェアのレビューを行う。

昨年うみさんがもぐらぼに加入する際に工房の増設を行ったのだが、工房には予備の椅子が無かったので地元の家具屋でiPole7を購入、丸1年使用したレビューとなる。
シルフィーはと言うと当初模型を始めた頃にホムセンで買った適当な¥15000くらいの椅子を使用していたが、その椅子は座面が深くリラックスして座るような椅子だったため、機能を活かせない上に仕事量とともに段々と作業姿勢が悪化していった。
昨年の秋口くらいに腰が限界を迎えたのを機に「座面が浅く腰に負担が少ない椅子を」という事で色々と試座をしてシルフィーを購入した。
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吉桂 「iPole7」
このへんてこな椅子はうみさんの椅子として絶賛稼働中で、本人曰く「とても座り心地が良く不満はない」との事だ。
お値段が高いオフィスチェアの中では斬新すぎて人気がないのかファブリック素材のものが¥20000-前後、レザー素材のものが¥35000-前後とハマれば抜群のコスパとなる。
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最大の特徴はこのへんてこな形状の部位となっており、調整機能は座面高調整とへんてこ部位が動くのみのシンプルな構造だ。
へんてこ部位は背もたれとして使う事も出来るが「アームレスト」として使う事も出来る。
うみさんはこの機能はいらないと言っているのでiPole7のアイデンティティは無いに等しいが・・・(笑)
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私も時々この椅子を使用するが確かに座面の安定性は色々と試座したオフィスチェアに中でも抜群で、背もたれを使わなければ無意識に「姿勢よく座る」事が出来る。
その点では私がメインに使っているシルフィーより遥かに良いので、姿勢が悪くて腰痛などに悩まされている方は劇的に改善する可能性もあるだろう。
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へんてこ部位について。
この部位は上の写真の状態から肘掛けアームごと回転するようになっていて、ぐるっと180度回転してくるとこのような状態で肘を置く事が出来る。
真中の謎の出っ張りは胸骨にあたる事によって、身体が前に倒れて猫背にならないようする役目がある。
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前のめりになりがちな模型制作においてはこの機能は非常に便利そうと思ったのが購入のキッカケではあったのだが、作業机や道具の置き場所などの関係で私が座る際もほぼ使用しないポジションになってしまっている。
個人的にこの機能を使用しない大きな理由があって、長時間肘や胸骨が触れていると体格のせいもあり彼方此方が痛くなってくる。
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正面ポジションはそのようなダメな点があって私も使用しないのだが、このへんてこ部位はパッド部分が回転するのでサイドポジションで肘掛けにして使うのくらいが精々といったところ。
ファブリック素材ではなくてレザーのものなら皮膚への負担は少ないので、可能性があったのでは?と長期間使ってみて思う点だ。
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ウチの作業卓は姿勢改善を目的に天板面が800mmと一般的な机より100mm程高いものになっているので、椅子の座面を最大まで高くしてもこのように天板高まで届かない点も相性問題に拍車をかけて使いづらい。
一般的な机は700mmなので肘置きは机の上に来るはずだ。
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最後にもう1点。
この椅子のキャスターはノーマルとロック式があって、ウチのiPole7のキャスターはロック式だ。
座面に重さが掛かるとキャスターがロックしてピクリともしないので、一カ所でじっと作業を出来る環境を整えている方には抜群の安定感を提供できる。
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特に面相などの精密な作業の際にはこの椅子の安定感は凄まじいものがあり、うみさんの超絶面相にも一役買っているところがあると思うのだ。
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しかーし、ウチは2人で作業をしているため塗料や工具などの置き場所に制限があり「ちょっとアレ取りたい」の際にロック式キャスターは異常なまでに鬱陶しい。
以上が「吉桂 iPole7」のレビューとなる。
ハマれば圧倒的なポテンシャルを秘めているが、最初にも述べた通り環境や使う人に非常に左右される難しい椅子だ。
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オカムラ「シルフィー」
この椅子はオフィスチェアの中では超メジャーな椅子なので、詳しいレビューはYouTubeなどで探すと良いだろう。
お値段もくっそ高いだけあって座り心地や調整機能は抜群に良く、腰痛対策に大いに貢献してくれている。
私のシルフィーの仕様はオプション全部盛りだが、ランバーサポートは試座の際に背骨が当たって痛かったので除外してある。
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この椅子の最大の特徴は座面と背もたれが前方向に10度前傾する機能が付いている。
多くのモデラーにとって「前傾機能で作業姿勢をサポートしてくれるのでは?」という気になるところに焦点を当てたレビューをしていこう。
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百聞は一見に如かず、これがシルフィーの前傾状態。
 iPole7と同じように背筋が伸びて背もたれにしっかり背中が付いているのが分かるだろう。
どちらの方が良い姿勢になるかと言えば iPole7になるのだが、そもそも良い姿勢で座るためには骨盤を起こして上半身の重心を前に移す必要がある。
iPole7は能動的に良い姿勢を保とうとする椅子なのだが、シルフィーの場合は座面も背もたれと同時に10度傾くため、骨盤が若干寝たままでも強制的に骨盤の上に重心が来て身体の負担を軽減するような設計だ。
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私も当初この機能が最強なのでは?と考え、試座も好感触だったため購入に至ったのだが、この前傾機能(椅子)には大きな弱点があり故に前傾機能はおろかリクライニング機能も使用しない事態となっている。
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iPole7の時と同様に環境が大きな要因で、作業内容によって場所を交代する事はあるものの、基本的に2台ある塗装ブースの左が私の作業スペースで右がうみさんのスペースというのが定位置だ。
当初一人で作業をしていた頃、動き回らなくても作業が出来るよう仕事に使う道具は左の壁面と右手で届く箇所に集中して置いていたためこのようなレイアウトなのだ。
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シルフィーの背面系操作レバーの位置は座面左下の丸いレバーだ。私の腕は常人並みの長さなので、当然身体を傾けるか前傾するかしなければ手が届かない。
彩色作業の際には利き手でハンドピースを操作するので、左手は持ち手等でパーツを持っている事になる。塗ったパーツはそのまま左の棚にある塗装ベースに刺していく。つまり私の左側は常に塗装中のパーツがアンリミテッド竹串ワークスなわけで、身体を傾けるスペースなど存在しない。
仮にスペースが存在したとして、常に前傾モードという訳ではない(オフの時間は工房でダラダラしている)ので、始業と終業1日2度レバーに手を伸ばして調整をするだろうか?
しないよな。
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という訳でオカムラ「シルフィー」凄く座り心地も良く気に入ってはいるのだが、前傾機能は便利だが使わなくなる可能性が高いので、購入を検討される方はその辺りも視野に入れるのが吉となる。
座面がかなり浅く調整出来るため、通常の位置でも十分良い姿勢がキープできる点は買って良かったと思える。
そう言えばなのだが体型の問題で肩甲骨がフレームに当たって痛かったが、最近身体が慣れたのか気にならなくなってきた。
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オカムラのオフィスチェアのフラッグシップモデルに「コンテッサ セコンダ」という椅子があり、位置操作が左右のアームレストの下にあるレバー(指先)で完結するスマートオペレーションという機能を搭載していて、私のような面倒くさがりにはコンテッサの方が良かったのでは?というのがシルフィーを半年使った上でのタラレバである。


ここからは余談なのだが、椅子を購入する際には家具屋で新品の試座は必須で、出来れば中古のヘタったやつも試座出来れば理想的だ。
高級オフィスチェアの有名どころではエルゴヒューマン、ハーマンミラーのアーロンチェアやセイルチェア、コクヨなど沢山の椅子があるが、私が試座した中ではセイルチェアが次点だったし、コクヨなんかは全体的に座面が硬くて長時間座れそうもなかった。
お値段も超高額になるので最初はビックリして気が引けるが、仕事の道具と割り切ってきっちり試座した上で良い椅子を購入すればお釣りが来るほどにまず後悔する事はないと思う。
私のシルフィー実は中古品なのだが、有名オフィスチェアなだけあって状態の良い中古も山ほどある。
私は新品と中古を試座した上でオフィスバスターズという企業の通販で購入した。
全国に実店舗も多く、送料が1万円くらいかかってしまうものの通販あるのがとても便利で、私の担当をしてくれた方が問い合わせのメール返信が即返ってくる上にとても丁寧でだったのも購入の決め手だったなと。

これを読んだそこのあなた、是非良い椅子を手にしてみてはいかがだろうか?
私は布団8時間、椅子16時間がデフォルトだ。







by moguramania3203 | 2023-04-14 00:00 | 雑談 | Comments(0)

ガレージキット制作・商業彩色「もぐらぼ」の赤裸々ブログ。ガレージキット制作記事をメインにPVC完成品レビューやカメラ沼などを、毎週金曜に投稿しております。 お仕事諸々のお問い合わせ窓口はこちら。moguramania3203a@yahoo.co.jp


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